常々疑問に思っていたことがあります。
学業を終えて(という表現がイマイチなのは置いておいて)職につくことを就職というのは分かります。
でも例えばソニーでスマホのエンジニアをやっていた人が他の会社で同じようにスマホのエンジニアになりましたという場合って、会社は変わっていも職種はエンジニアのままやんと思います。転社の方が実態にあっているのでは?と。
ここまで書かれて勘の良い方はお気づきかも知れませんが、この度わたし安東暁史は、会社は変わらず職種が変わりました。
人事異動ですが、こんなに大げさに職種が変わることはなかなかないのではないかと。
何度もこのブログで書いているとおり、これまではコンサルタント部隊におりました。システム関連の相談を頂いたり提案をしたりお客様の要望を開発部隊に届けたりといった内容です。で、今後は
採用担当になります!
ずいぶん違う仕事過ぎてビビってますが、同時に胸の高鳴りを抑えられずにいます。以下のとおりこれまで積み上げてきたものを放棄する必要もありますが、それ以上に新しい経験ができることが何より楽しみです。更に成長していきたいと思います。
そもそも転社を伴わない転職の場合、ジョブチェンジによるメリット(新しいスキルセットが身につくとか)は得られますが、「次の会社の社風が合わなかったらどうしよう」とか「聞いていた世界と違ったらどうしよう」とか、余計な不安や不確定要素が少ないというメリットがあるのかなと思っています。もちろん今の職場が全く合わないという人にとっては環境を変えるという意味での転職はアリだと思います。でも私の場合「転職してみるのもアリだけど、今の職場を離れたくない」という気持ちだったので、ピッタリなわけです。うん。
これまでに得た知識は放棄する
採用の仕事はこれからですから想像になりますが、これまでのコンサル業で得た知識なんてものは役に立たないでしょう。ITのコンサルだとITの知識はある程度は必要になります。コンサルの仕事は知識を武器に戦うことではありませんが、問題解決をするためにはそれなりにITの知識は知っておく必要があります。ITにかぎらずコンサルの武器は問題解決思考ですが、外食産業のコンサルが外食事情や用語を一切知らないと話になりません。
そうやって身につけた知識は今後はほとんど役に立ちません。採用の現場でクラウドやデータベースの知識は役には立たないでしょう。
もちろん業務内容について元現場の立場でリアルに説明ができるというメリットはありますが、本質的ではないかと思っています。私じゃなくても説明できますしね。
持っていけるスキルもある
このブログでは何度も言っていますが、我々はポータブルスキルを身につけることを意識すべきです。 たとえば問題解決思考はコンサルだけに限らず、採用でも必要なスキルであると思います。今後、海外のスーパー理系学生を新卒採用するIT企業が増えていく!? 「世界選抜逆求人フェスティバル」に潜入取材という記事が昨日上がっていました。最近「海外の優秀な学生を採用しよう」という動きが加速しているようですが、これは多くの日本企業が行ってこなかった採用活動です。だとするとどういう手法が成功するかなんて誰もわからない、前例のないチャンレンジになるわけです。問題解決思考はこういうアプローチにとても力を発揮しますから、採用部隊に異動後も十分活かせるスキルであると信じています。
他にも文章能力やプレゼンテーションスキル、説明能力なんかは、採用後に不要になるかというとそうではないでしょう。文章はブログでも非常に鍛えられました。なにせほぼ毎日、テーマを決めて世界中の人が読む可能性のある文章を書くわけですから、かなり良い筋トレになります。もうすぐコンサル部隊時代の「業務改善コンテスト」のような社内行事がありまして、それに出場することになったのですが、プレゼン資料のドラフトが1時間程度でなかなか良い物ができたのです。毎日ブログで記事を書いているおかげだなと思いました。
いつ「その時」が来るかは分からない
異動の話は突然来ました。今回の異動は公募制度や立候補ではなく、採用部門から直接いただいた話です。もしかしたらこのブログで学生向けの記事を書いているからかしら?それは定かではありませんが、とにかく突然来るわけです。(ちなみに私の会社では採用チームはかなりの精鋭部隊でして、その舞台に呼ばれたことは非常に光栄です。めちゃビビってますが(笑))
個人的な事情を言えば、今進めているプロジェクトで来年の社長賞を狙っていることもあってガンガン推し進めたいところでしたが、志半ばで残念です。それはそれで後任に引き継いで、成功に導いてくれたら良いなと思っています。
日々の仕事をこなすだけで終わってしまっていると、いざというときに自分に何も残っていないということになりかねません。(参考:いま、英語等の勉強をしないタクシー運転手は駆逐されるだろう)
私が働いている会社では日々、2割は「今の仕事に関係のない仕事」をするように言われています。Googleが実践している“20%ルール”と考え方は同じですね。この中で日々の業務を超えた発想やスキルが身につき、自分のビジネススキルに厚みができたと思っています。
会社のルールでそういうことができるケースは少ないかもしれませんが、自分自身が今の職場や職種を離れても食っていけるのか、それを一度考えてみた方がよいと思います。今の会社でしか通用しない能力は、そのシチュエーションでなくなれば捨てるしかない能力です。貯金にはなりえません。毎月少しずつ貯金を積み立てていくように、日々の生活の中でも、今は使わないかもしれないスキルを身につけていくことも大切であります。