退職した社員の出戻りについての私の意見

スポンサーリンク
仕事
この記事は約4分で読めます。

例の日立を辞めた社員をはじめ、一度退職した社員が古巣に戻ることについて話題になることが多いように感じます。昨日挙がっていたのはこれ。

再入社制度>「カムバック」でもっと貢献 – Yahoo!ニュース

この記事のトップに出てくるワークスアプリケーションズの制度は、以下の記事でも紹介されています。

学習院大学経済学部創立50周年記念シンポジウム——「働き方」を考える——

中には、隣の芝が青く見えたりもっと楽をしたいと転職を試みる者がいる。彼らに対し、ある時点から引き留めることをやめた。そしてその代わりに、「カムバックパス」を出している。これは、転職しても当社へ戻りたい時にはいつでも元の役職・報酬で戻ることができる保証書になっており、実際多くの社員がカムバックしている。

これ、正に日立にあれば良かった制度ですね。日立の社員の件はまとまっていたBLOGOSが削除されているので、BLOGOS記事を引用している2ちゃんまとめを。

日立を退職した男性「壊された。転職するんじやなかった。もうこんな仕事したくない」

この男性は、京都大学から新卒で日立に入社。3年ほど在籍し、昨年1月に退職した。その際に、はてなダイアリーに退職エントリーを投稿している。
http://akiradeveloper.hatenadiary.com/entry/2013/12/21/184119

「日立の優秀な技術者たちよ. 価値を失う前に転職せよ. 社会はあなた方を求めている」

そんな勇ましい提言を掲げ、自分も能力の1割ほどしか発揮できていないと不満を募らせる。

筆者は転職から1年と少し経った3月24日ごろからツイッターに会社への不満を漏らし始め、27日にはついに「壊された。転職するんじやなかった」と思いを打ち明けた。

「日立の方が遥かに良かった。なぜ辞めたんだろうか(…)つらい」
転職先は商社系の大手IT企業の子会社で、営業力もなく開発環境も前職と比べて劣っている。待遇面も思わしくなかったようだ。

「もうこんな仕事したくない。させるならお金ほしい。なんでこんな奴隷同然の搾取をされなきゃならないの」

年功序列で給料の上がる日立が「羨ましい」という。日立は今年の春闘で3000円のベースアップもあった。

「まじ部長課長どころかブログで影響与えてしまった副社長レベルにも土下座で謝るので日立に戻りたい」

諸悪の根源

この人の不幸なところは世間知らずだったことかと。偏差値トップである京大に受かれば、何も進路を考えずに京大を選んだのでしょう。 そして大企業の中でもトップクラスの会社である日立製作所に受かれば、これはまた何も考えずに決めてしまったのかと。つまり意思決定の中で自分が悩んだり考えたり、世間を知ろうとする機会もあまり無かったものと思われます。

で、そんな世間知らずな状態で

転職活動の途中, 私は転職エージェントにこう言われた. 「あなたはまだ若いし才能があるのだから, リスクを恐れずに挑戦した方がいい. そうすることが, 将来のリスクをminimizeすることになる. はっきりいって, 日立のような日本型の大企業でのキャリアは, 外からは評価しようがない. むしろ, 年数が経つにつれて, その中に最適化された人間だと思われる可能性が高い」.

と言われて流されてしまったのが最悪です。というかこの転職エージェント、責任とれよ。「投資信託に投資しましょう!」と勧めるだけ勧めて手数料を貰って、結局顧客に損をさせる証券の営業マンよりタチが悪い。転職エージェントは一人紹介すれば数百万円の売上になる。そして転職者の人生を絶望に追いやることもある。この日立の人みたいに。

採用担当はその人の人生を背負う覚悟でなければなりません。同じくらい、転職エージェントも責任を追うべきです。人を商売の道具として見るな!!まじクズ人材ビジネスが多すぎる。

退職者を受け入れれば良いじゃないですか。

退職後 元の会社に再就職 : ジョブサーチ : 読売新聞カムバック社員光る 古巣で働けば即戦力に :日本経済新聞などと、カムバックの制度や事例は増えてきているようですが、記事を見る限り多くが「仕方のない事情で辞めざるを得なくなった女性」がカムバックできる制度のようにみえます。(もちろん世間体が良いからそういう事例ばかりを取り上げているのかもしれませんが)

女性もそうですが、同じくらいチャレンジや隣の芝生が青く見えて退職した人にもカムバックを受け入れるような社会になってほしいと思います。「隣の芝生が青く見えてこの会社を辞めた人間を戻すなんてあり得ない」と脊髄反射で言う人がいそうですが、本当にそうでしょうか。

実際人間だれしも隣の芝生は青く見えるものです。ないものねだりなんて誰にでもあります。で、たまたま話を持ちかけられたA社についてとても魅力的に感じていて、そっちに行ったほうが良いのかどうかずっと迷いながら仕事をするのはどうでしょうか。その会社でパフォーマンスを出せるでしょうか。私はそうは思いません。

一旦そちらに行ってきて、合わなかったら戻ってくれば良い。そのほうがこの会社をより好きになって戻ってくるでしょう。「人事としてその発言はどうなの?」とツッコミを受けそうなので予め答えておきますが、この会社で働くことに疑問を持ち続けたまま(つまり辞めた方が良いのではないかと考えながら)働くことこそその人にとって不幸ですから

もっと流動的に人材が行き来できる社会が訪れたら良いなと思っております。

日立を受けようとしている学生さんは読んでおくことをおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました