大手人材系の会社が妙なことを言う位、採用市場は闇を抱えている

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仕事
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広告系のメルマガはあんまり読まないのですが、一応情報源としてチラチラ見ています。

今回、『日本の人事部』というところが出しているメルマガで、思わず目玉が飛び出そうな驚愕する内容を見つけてしまいました。

引用したいので一応リンクを貼っておきますが、別にこの会社を批判したいのが本エントリーの趣旨ではありません。日本の就活・転職市場に対する問題提起をするのに、好材料なので取り上げます。

引用

日本マンパワーは、キャリア開発のパイオニア企業として、長年ビジネスパーソンのキャリア開発に従事してきました。

そのような中、ミドル・シニアなどの年代別、あるいは女性社員を対象に、仕事に対する意識調査を行ってきており、2011年からクライアント企業の新入社員に対しても1万人を超える意識調査を行っています。

弊社では、キャリア発達理論に基き、20代を「基礎訓練期」と定義しており、特に日本企業において新入社員と呼ばれる1年間は、会社や職場という組織や、仕事になじむ通過儀礼(何らかの苦痛を伴う)の時期であり、いわゆる“リアリティショック”という現象が起こると考えています。リアリティショックは、弊社2年目社員調査との比較からもそのことが裏付けられており、ごく自然なことであると考えています。

リアリティショックとは?

リアリティショックというのは私が学生に口酸っぱく説明していることです。ほぼ全ての学生は仕事の実態を知りません。実態を知らない状態で、むしろ多いに幻想を抱いた状態で会社に入って「え?こんなはずじゃなかった」と言ってショックを受けることです。

これは彼らの勉強不足が原因でしょうか。私はそうは考えません。リアリティショックの一番の原因は「人事部がウソを言うこと」です。だからマンパワーは人事部に対して「新入社員がリアリティショックを乗り越える方法」を提案していくわけですな。

先日ひさしぶりに会った大学時代の友人は「お客様に美味しいを届ける為に飲料メーカーに入って、実態は『如何に果汁を使わないで、化学調味料で同じ味をを作るかどうか』が毎日の仕事だ」と言って嘆いていました。学生が勝手に思い描いていた幻想は「毎日美味しい飲み物を考えたりすること」だったそうです。実態とのギャップに苦しんだと言っていました。

他にもよくある例では、会社説明会では人事が「ウチの会社はホントに自由な会社だよ」と言っておきながら、現場に出てみると課長が「そんなわけねえだろ」と一蹴。そういえばこの間ある会社のインターンの宣伝文句が「経営とかマーケティングに興味ありませんか?」でした。何の会社だと思います?塾の会社でした。塾の会社のインターンで学べるとは到底思えませんが、実際どうなんでしょうか。

リアリティショックはあってはならない!!

そろそろ公正取引委員会の様な役割が必要なんじゃないかと思う採用業界。企業はあの手この手で学生を惹きつけようとしますが、誇大広告が本当に多いです。そして一年目に洗脳されまくった結果、その企業のやり方を肯定する立場にいつの間にか変わっていくのです。これが本当に幸せなワークライフなのでしょうか。

多くの新入社員は諦めます。それは「ああ、社会ってこういうモンなんだ」という感じです。違うって。リアリティショックを受けない会社も沢山あります。私は入社してからポジティブなリアリティショックは沢山ありました。「仕事を任せてもらえると聞いてはいたけど、ホントにこんなに任せてくれるのか」とか、「同年代より早く成長できると聞いていたが、こんなにも実感できるものなのか」など。この手のポジティブなリアリティショックに対しては、企業は別に手を打つ必要は無いですし、

仕事になじむ通過儀礼(何らかの苦痛を伴う)の時期

なわけはありません。むしろハッピーな気持ちの方が強いわけです。

応募学生にとって最も幸せな状態は「想像・期待していた通りの状態だった」ということです。期待を上振れする分には良いでしょう。しかし下振れはいけません。そしてその下振れ分を「まあうるさくいうなよ。この手のリアリティショックは誰もが通る道だよ。大人になったな」などと宥めるなんてもってのほかです。

飲食店でメニューを見て美味しそうだと思って注文。出てきたものがメニューと違うものだったら怒るでしょう。1000円位であれば「まあ良いか」と言えるかもしれませんが、40年以上続く長いワークライフの大部分を左右する会社選び。ここには本当に不正や誇大広告は一切あってはならないと思っています。

今の学生は本当に悩みながら、内定先を決めるのです。私の父は「バイトをしていた新聞社にそのまま就職」だったそうですが、そんな決め方をする人は今はホントに稀です。
企業が長期的なキャリアを約束できない時代だからこそ、学生は自分のキャリアを本当に真剣に考えている。その状況をしっかり理解した上で採用活動をしていきましょうよ、お互いに。

だから、リアリティショックの乗り越え方を提案するなんてそもそも発想がおかしくて、リアリティショックを起こさせない根本的な解決を提案していってほしいです。

学生も企業の言っていることを鵜呑みにするな

最後に学生に向けたメッセージです。

企業の言っていることは、基本話半分で聞いて下さい。ウソをつくつもりは無かったとしても、採用担当者も自分の会社が好きですから熱をもって話しちゃうことはあります。私はよく自分が話をする学生には、「俺の話も半分ウソだと思って聞くくらいがちょうど良い。」と言っています。「その話って本当かな?」と疑問を感じながら聞くことで、自分の頭で考えることができるし、鵜呑みにされないのです。

基本的に学生の皆さんが親御さんや周囲の大人達から聞くキャリア論はそもそも間違っています。時代が違うわけですから。しっかり本を読んで自分で勉強し、考えている学生は気づいています。周囲の情報を鵜呑みにしないで、自分のキャリアに自分自身で責任をもってください。

一応オススメの書籍を紹介しておきます

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