なぜビジネスマンは世界一を目指さないのか?~日本貯金に頼るな!~

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ビジネスの世界でも世界一を目指せ 仕事
写真はご本人ではありません。
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先日、行きつけの居酒屋酔い心地 真っ先で飲みながら大将の山澤健治さんと話をして考えたことを書きます。

ビジネスの世界でも世界一を目指せ

写真はご本人ではありません。

大将は元プロボクサーで、16のときに世界チャンピオンを目指して東京に出てきました。話を伺っていると、それはそれは過酷な道であることがうかがい知れます。志半ばにしてボクシング界を退かれてからは料理の世界を突き進まれました。

 

だからだと思いますが、彼のお店の経営スタンスや料理のスタイルは非常に「元プロボクサーらしい」です。そのものにかける情熱が正にすさまじいのです。それが料理人となってからは料理の創作への意欲に注がれ、非常に美味な料理を創り出しています。ボクサーとして過酷なトレーニングや減量で自分を追い込みまくった経験が、大将を努力の天才にしているのだと思います。

さて、そんな山澤さんと会話を楽しんでいたのですが、彼はずっと世界チャンピオンを目指してボクシングをしていました。だからこそ世界で一番努力をしないといけなかったし、大将自身も「世界チャンピオンになるため」だから頑張れたとおっしゃっていました。料理の世界に世界チャンピオンというタイトル戦はありませんが、間違いなく世界一おいしい料理を出そうとしているはずです。

まあボクシングの世界タイトルのように、「この試合で勝てば世界チャンピオン」という明確なものがないので分かりづらいですが、世界一の製品を作る、世界一の仕事をする、世界一の難問を解決するなど目指す方向は沢山あると思います。
世界のビジネスマンが全て、世界一を目指したらどういうことが起こるでしょうか。

  • 世の中全体でもっと競争が激化し、もっともっと質の高いサービスや製品が生まれる。
  • コスト競争も激化するので消費者はもっと安く、良いものを買えるようになる。
  • その分国も税金たんまりで潤う。
  • しかし競争では負ける者も当然いるため、そういう人たちも文化的な最低限度の生活は営めるようにするため、ベーシック・インカム制になる
  • ベーシック・インカム制なので人は生活のためというネガティブな理由では働かず、「より良い生活のため」「もっと良い製品を作りたいから」というようなポジティブに働けるようになる。競争社会が嫌な人や、働きたくない人は働かなくても良い
  • 学校での勉強も、ハンパない競争社会を勝ち抜くために、むちゃくちゃ厳しいものになる。体罰とかではなく、順位発表はもちろん宿題を忘れるなんてありえない→親呼び出して徹底指導みたいな。その結果、落ちこぼれをほっとかず、高校進学者は高卒時点で外国人と円滑なコミュニケーションが取れるほど英語ができるレベル。

むちゃくちゃな方向に話を持っていったことは自覚しています。もちろん多くの人が競争社会という厳しい世界はいやでしょう。厳しいんですから。でも自然界ってもっと厳しい世界だと思うし、野生動物は雨風にさらされながら過酷な自然界で常にハングリーと戦っています。
ある人からこんなことを言われました。「人間は進化と勝ち続けた歴史から、そういうマズローの低い次元の心配はしなくて良いんだよ」と。でもそれは自分自身ではなくて、先祖が頑張って勝ち得たものです。直近の我々の便利な生活も誰かが作ってくれたものです。冷蔵庫、テレビ、電気、インターネットなどなど発明と発展に物凄く努力した誰かがいるから、今我々はこうして便利で食うものに困らない、明日死ぬかもという心配をしないでも生きられる生活があるわけです。

でもそれにあぐらをかいていませんか?むさぼって大木を枯らしていませんか?
高度経済成長を経て日本は本当に豊かになりました。それは先輩方が頑張ってくれたということです。祖父の葬儀のときに父が「(私の祖父について)ただただひたすら働いていた姿を思い出す。土曜日も日曜日も毎日、毎日。」と言っていました。本当に多くの先輩方が努力され、日本の繁栄を築き上げられたことに感謝しています。

でもその次の世代が最悪です。更に経済を成長させるどころか、あぐらをかき続けた結果が今の日本だと思います。今60くらいの方々でしょうか。
新興国がどんどん台頭してきて、このまま日本の成長が止まったままだと、会社の業績はどんどん落ち、国の法人税収入は減り、消費税は上がり、社会保障が縮小し、結果的に自分や自分の家族を危うくします。結局は過去の記事でも書いたとおり、メビウスの輪なのです。

よく100点を取る気で勉強しないとダメだといいます。80点を取る気で勉強しても60点しか取れないことが多いと。たしかにそのとおりだと思います。ひっそりとつつましく生きられたら良いななんて甘いことがまかり通ったのは、先輩方が残してくれた日本という貯金があったからであり、60点でも貯金で20点補填されていたのです。
日本という貯金とは、JAPANブランドや整備されたインフラ、充実した社会保障などです。儲ける会社が沢山あったから雇用すなわちお金を得るのにも苦労しなかったというのも日本の貯金でした。

でも今はどうでしょうか。JAPANブランドは既に欧米では通用しなくなり、社会保障も破綻寸前です。そして雇用もどんどん縮小されていて、さらに外国人採用者の増加によりパイが奪われてしまっている。もちろんまだまだ貯金は残っていますから今すぐに日本が沈没することはないですが、減り続ける貯金が子ども、孫にダメージを与えます。

中国やインド人は逆です。ハングリー精神というか実際に家族を食わせるため、家族を裕福にするためにむちゃくちゃ努力しています。THE HUNGRYです。私も彼らと仕事で絡んだことがありますが、本当に自分が情けない、これまでの30年弱の人生でナニをしてきたんだと悔しくなるほど差があります。もって生まれた才能ではなく努力の差です。だって私には生まれた時点で彼に劣っているものは何もない。目もあるし耳もある、手足は全部揃っている。学ばせてもらう環境も自由に選べた。今の自分が海外勢より劣っているとすれば、それは全て自分のこれまでの努力の差です。

スポーツ選手の場合、体格などスポーツに必要な資質のいくつかは遺伝の影響を受けますから努力だけではなんともならない壁があると思います。それでも世界一を目指して努力されています。そして生まれながら身体能力の高い人たちにも日本人はしっかり勝負で勝ってきていることは誇りだと思います。

スポーツでない場合、遺伝の影響はないといわれています。頭の良さや努力できるかできないか、ましてや希望の会社に就職できるかとか会社で評価されるかとかリストラされないかなどは遺伝しないということです。もちろん家庭環境や親の経済的な理由で満足な教育を受けられないケースもあると思いますが、親の経済力で成長を勝ち取れるケースは稀です。つまり我々ビジネスパーソンというのはほとんど同じ条件で戦っているといえると思います。負けは決まっていないのですからこれからも努力を続けようと思います。

ビジネスの世界は楽してのほほんという人生を送るためのものではない。そう信じています。

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