若手にこそ高い給与を!日本の大企業は人質を開放せよ!

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仕事
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いつしか日本型雇用システムという名称は「ガラパゴスみたいにネガティブなニュアンスを持つ言葉となりました。今回はこのシステムについて紐解いていきます。特にキーになるのが人質という概念です。日本企業は人質をとって従業員を意のままに操っているということですな。

人質制度

人質制度とは

日本企業は沢山の人質をとって従業員を操っています。たとえば退職金は勤続年数に応じて受給額が上がっていくものです。18年勤め続けた状態で、他社から良い話が来て転職を検討しても「でもあと2年この会社にいれば退職金が増えるし」という考えが働く。

経験も人質に

待遇だけではなくスキルも同じ。日本の大企業では覚えることが山ほどあります。でも残念ながらその多くは他社では役に立たないこと。その会社でしか通用しないスキルを山ほど積み重ねて成長していると思っていると、他社では全然通用しないなんてことはザラにあります。

そもそも雇用が流動的でない日本ですが、人質の最たる例である年功序列について深く見ていきます。

年功序列と終身雇用

なぜ日本の大手企業の若手の給与はあんなに安いのでしょうか。それは終身雇用と年功序列の弊害です。年功序列によってだんだんと給料が上がっていきますし、どんなに成果を生み出せない人でもクビにすることは出来ません。そして多くの人がイメージできるでしょうが、40になって仕事ができる人というのは多くありません。大体がのほほんとその会社に居座ってきてまともに成長もしておらず最近のテクノロジーにはついていけないし、体力もないから兵士にもならない。大手企業の人事部が追い出し部屋行きさせたくなる気持ちもとても分かります。でもこういう人にも高い給与を払わなくてはいけないのです。そういうシステムですから。

となると登場してくるのが「若手にはしっかり働いてもらって、若手が稼いだ分を老害の分に補填しよう」という考え。イメージしやすい様に超デフォルメすると

「本当はこの48才の使えないオッサンには300万円くらいしか払えない(それくらいしか成果を生み出してない)けど、28才の彼が700万円分生み出してくれてる。
28歳の彼に400万円払って、300万円を48歳のオッサンに回し、300万円+300万円で600万円。これでシステムとの釣り合いが取れるな」

ということです。

余談ですが不思議なことにこういう会社は優良企業に間違えられるんですよ。平均勤続年数は長いし、平均給与も高い。でも実態は若手のもらえるはずの給与を老害に搾取される会社なんですね。

特に平均勤続年数が長い会社というのは「新規雇用が少なくて老害が居続ける会社」でもありますから、一概に優良企業と判断しない方が良いです。新陳代謝できていない会社という意味ですからね。新人を沢山雇えば「勤続年数ゼロ年」の人間が混ざるので、平均値が落ちるのは当たり前ですから。

若手から高い給与を支払おう

Child of a migratory farm laborer in the field during the harvest of the community center's cabbage crop, FSA labor camp, Tex.  (LOC)

能力があって成果を出せる若手なら、年齢が低かろうが高い給与を貰って良いはずです。というかそうあるべきだと思いませんか。もちろん始めの数ヶ月は研修中だし成果も生み出せないし、1年目はPayしないと思います。でも実際にそいつが稼げるようになれば、そいつが稼いだ分はもらえるべきだと思います。ちなみに会社の看板を背負って稼いでいるし、パソコンの貸与など会社側から与えられているものは多いです。自分が稼いだ分を丸々貰えるわけはないことは知っておきましょう。まるまる貰っちゃったら会社に利益残らないし、間接部門の分も稼がないといけないこともお忘れなく。

で、本当はもっと高い報酬を貰える若者に対して、年功序列を維持するために低い給料を渡しているとどうなるか。若者は「あと何年我慢すれば給与のレンジが上がる」という考えに至ります。これでこの若者も給与を人質に取られて転職ができなくなります。

 

年功序列は崩壊してる。損をするのは若者

高度経済成長期であればこの日本型雇用システムは素晴らしいシステムです。安定感がハンパないですから。でももうそんな時代じゃない。いまはどんどん50代以降の給与が下がるようになってきています。まあこれは当然の流れでしょう。本来はもらえるはずのないあぶく銭なわけですから、痛くも痒くもないはずです。(当の本人にとっては痛いでしょうけどね)

問題は若者です。人質として安くない額を若いうちに会社に奪われているわけですが、それは年功序列で将来返ってくることが前提だから許されるのです。だから多くの若者は文句を言わずに安月給を受け入れてるわけでしょ。

それが会社の都合や世の中のせいで年功給がどんどん削られていったら、何のための我慢だったんだとなります。いや、多くの人はこの年功序列の仕組みに疑問すら持たずに若いうちは安いというのが当たり前になってるかも。

これじゃ完全に空中分解しちゃった年金とまったく同じじゃないですか。

年功序列を廃止するのは年功給の廃止からではありません。若手社員の給料を上げることから始まります。大手企業の人事の皆様。そこんとこ、どうぞお間違えのないように!

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