もっともよく聞くビジネス用語の1つである報連相。報告、連絡、相談をセットにした言葉です。
報連相については色んなビジネス書でも書かれていますし、今さら私が偉そうに語るつもりはないのですが、意外と語られない「報連相を誰にすべきか」について書きます。
「それはあの人に聞いてくれないと」と言われたら負け
たらい回しという言葉があります。自分がお客様として、企業のカスタマーセンターに電話をしてたらい回しにされたらイラッとします。でも、もし社内の相談でたらい回しにされたら
相談する相手を間違えた自分に非がある
と考えてみましょう。そもそも相談のたらい回しって次のようなパターンがあると思っています。
- 相談先しちゃいけない相手に相談したから拒否された
- よりベターな相談相手を紹介された
- 忙しさなどにより、相談に乗れなかった
大きく分けるとこの3つかと思います。そして3は相談相手の問題だとして、1と2のパターンは相談した本人に改善の余地があり、改善すべき問題です。
相談すべき相手とは
相談事項が発生したとき、その相談事項には最適な相談相手、まあまあな相談相手、的外れな相談相手の3種類が存在します。
例をあげて説明しましょう。中小お菓子メーカーのとある会社では、商品開発のAチームはチョコレートを作り、Bチームはガムを作っています。営業マンが担当している卸会社から「急遽今週のチョコレートの商品量を増やしてくれ。」と依頼されました。
チョコレートを担当しているAチームはA課長と部下5名です。課長がチームのあらゆる決裁権を持っている場合、A課長は最適な相談相手です。課長に相談したら「生産数を増やせるので、その程度の増加なら耐えられるぞ!」とかっていう回答をくれます。もしこの時に「生産数をあげるのにも限界があるぞ。Bチームから人を借りられないかしら」となると、Aチームの課長がBチームに相談し、話をつけてくれる可能性もあります。いずれにせよ、チョコレートの物量増に耐えられるか否かの判断はA課長が最適であり、A課長では判断がつかない場合もA課長が動くでしょう。
でもじゃあA課長が出張中でいなかった場合はどうでしょう。電話にも出ません。お客様への返事は今日しないといけない。
Aチームの担当者に聞くのはどうでしょう。チームの状況を分かっている人がいて、即答できる可能性もあります。「在庫は余裕あるので大丈夫っすよ」と。でもこの人では判断がつかないことも沢山あります。生産数を上げるとすれば残業が必要だけど、残業して良いかどうかは課長に権限がある。まだ課全体が見える立場ではないから、正しい判断ができないことも多い。
Bチームの課長はどうでしょう。会社によってはパキッと縦割りになっていて、「おれはそっちの課のことは知らん!」って怒られるかもしれません。こんな時にもたらい回しにされたと怒るのはナンセンスです。あなたが相談相手を間違えたのです。この案件は誰に相談すべきか、これを的確に捉えて動ける人は、社内相手でも社外相手でも交渉や商談が上手いです。誰が決裁権を持っているか、どうやって持ってる人に繋いでもらうのか。そういう相関図がわかると仕事が進めやすくなります。
一番ダメなのが(こういう人多いですが・・・)関係ない課のB課長に相談したんですけど無視されたんですとか言っちゃう人。やめましょうね。
ホウレンソウは過不足なく、適時、適切な相手にを心がけましょう。