学生から良く受ける質問がこれ。
ロジカルシンキング能力を伸ばすにはどうしたら良いですか?
こんな質問を受けた時、最近はこの本を進めるようにしています。
マッキンゼー出身者のロジカルシンキング本。「そもそも思考とは何か」から言及されていて非常に面白い。Kindle版がなく、中古でもそれなりの値段がしますがかなりオススメです。
今回は論理的思考の定番である「演繹法」と「帰納法」のうち、帰納法に焦点を当ててタイトルにある「インプット量とアウトプットの質」について考えてみます。
帰納法では情報の量が大切
帰納法とは「複数の観察事象の共通事項を抽出し、その共通事項を結論として一般命題化する議論展開」を言います。(思考・論理・分析から抜粋)
たとえば次のような感じ。
- エジソンは死んだ
- 豊臣秀吉は死んだ
- リンカーンは死んだ
⇒ 人はみんな死ぬ
これは観察事象が増えれば増えるほど信ぴょう性が高まりますし、少ないと誤った結論を導きます。たとえば
- GLAYはみな日本人だ
- 嵐はみな日本人だ
- マツコ・デラックスは日本人だ
⇒ 芸能人はみんな日本人だ
日本で芸能活動をしている外国人の方は沢山いますから、この結論は間違いですね。
例えば就活生は良くこういうことを言います。「A社で会った佐藤さんも鈴木さんも渡辺さんも、みんな優秀だった」という観察事象から「A社の社員はみんな優秀だ」という結論(?)にたどり着いています。普通、優秀じゃない社員を学生に会わせたりしませんから、うまく企業に踊らされているわけです。
帰納法による推論の制度を上げるには次の観点に気をつける必要があります。
- どれだけ多くの事実情報を観察対象として掴んでいるか
- 主観と事実の精査ができているか
- 結論を導く際に論理飛躍が無いか(数学的処理能力)
観察対象に事実誤認があると、論理的に結論を導けば必ず誤った結論になります。
- 徳川家康は死んだ
- 複座は諭吉は死んだ
- 始皇帝は不老不死なので死ななかった←事実誤認
⇒ 人は必ず死ぬわけじゃない←誤った結論
結論を導く処理で論理の飛躍があると台無しです。
- GLAYのTERUは男だ
- GLAYのTAKUROは男だ
- GLAYのHISASHIは男だ
- GLAYのJIROは男だ
⇒ ロックミュージシャンはみんな男だ←飛躍
現実世界で考える時はもっと事象が複雑ですが、基本は同じです。そしてスタート地点は何より「どれだけ事実情報をインプットしているか」に関わってきます。どれだけ論理処理の能力が高くても、自分の中にある情報の蓄積が乏しかったら正しいアウトプットが出ません。これは今度取り上げる演繹法でも同じことが言えます。
ということで皆さん、読書なりNewsPicksなり新聞なり、それぞれの方法で構いませんので勉強しましょうねー