挑戦するからこそ安定するという、パラドックスのような現実

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以前の記事、安定志向の人が大企業に就職してはいけない、ただ2つの理由でも書きましたが、大企業に入ることはもはや安定というより危険性さえ孕んでいると私は考えています。学生の方でまだ上記の記事をお読みでない方は、ご一読いただければと思います。

変化の激しいこの時代に、必要な力とは安定よりも変化に適応する適応力です。あれだけ繁栄した恐竜も変化に適応できずに滅びました。IBMを50億ドルの赤字企業から5年で60ドルの利益を生み出すまでに立て直したルイス・ガースナー氏も

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。“IT IS NOT THE STRONGEST OF THE SPECIES THAT SURVIVES.BUT THE ONE MOST ADAPTABLE TO CHANGE.”と述べられています。
(余談ですが、これはダーウィンの『種の起源』からの引用というのが非常に一般的な解釈ですが、種の起源にはこの記述は存在していないようです。)

しかしそれには、IBMほどではないにしろ象に例えても良いほど「鈍重で、官僚的で、反応が鈍く、効率が低い」日本の大企業ではなかなか難しいでしょう。象が象であるためにのっそりとした歩き方を身につけよと言われますし、それを身につけたところでその象はいつかは死ぬでしょう。

とはいえ現在、既に大企業で働いている方はどうすれば良いのでしょうか。また反対に中小やベンチャー企業で働いている人はそこでどのように仕事をしていくと将来的な安定を得られるのでしょうか。今回はそういった疑問への回答となる記事です。

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【成長への挑戦】
常に自分自身が成長することを考える

いま自分が働いている会社がもし潰れたりリストラされたりしても、自分自身が市場の中で魅力的な存在であれば転職が可能です。少なくともその時点では飢えることはないといえるでしょう。最近話題のブラック企業問題においても、ブラックだから辞めたいと思って辞められない理由のトップは【お金・生活のため】だそうです。

自分自身が成長して他社から欲しがられる存在になっていれば、簡単にブラック企業とのおさらばも可能でしょう。自分で事業を起こして自分自身で食って行くことも可能です。そういう視点で、どのような成長が有効なのでしょうか。

これらを優先的に考えるべきでしょう。反対の言い方をすれば、今の仕事でだけ役立つ勉強だけをするのはあまり有効ではないといえます。例えば私はソフトウェアの分野にいますが、自社の製品にメチャクチャ詳しくなることも重要なものの、それだけではよくないという意味です。他社製品や業界の未来を見据えて新たなテクノロジーの勉強をしていかないとIT業界にはいられなくなるでしょう。グローバル化の波もあって、英語ももはや必須スキルです。

そういう意味では問題解決力はポータブル(どこに行っても行かせる持ち運びが可能)なスキルです。どんな業界、どんな職種でも活かせるスキルなので、どれだけ問題解決能力が高いかが市場価値ともいえるでしょうし、自分が全く知らない業界に飛び込んだときに自分を生かしてくれるスキルといえます。

もちろん多くの転職の場では業界経験などが優先的に見られるかもしれませんが、海外からも優秀な人材が参入し、日本でも人材が飽和してくると業界経験だけでなく、さらにその中での絞り込みも行われるようになります。「この10年、真面目に働いてきました」なんていうのは全く訴求効果はありません。反対に「前職では『職場の問題を見つけて改善』を繰り返し(←具体的な内容も伝え)、半年で生産にかかるコストを3割削減することに成功しました。」といえると良いのではないでしょうか。

大前研一さんも著書『稼ぐ力: 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方』の中で次のように述べられています。

たとえば、ある営業マンが採用面接で「私は前任者から担当エリアを引き継いだ後、顧客訪問の結果を必ず記録してデータベースを作りました。その結果、いつどんなフォローをすれば効率が上がるかということがすぐわかるようになり、今では月曜日の朝にその週の行動計画がすべて立てられるようになりました」といったアピールをしたら、私は彼をすぐに採用する。それで彼の担当エリアだけでなく、会社全体のシステムを作ってほしいと頼み、彼につける”値札”も大いに弾むだろう。

ちなみにここで言っている”値札”とは報酬のことです。これは高い問題解決力で実行した革新の実績が認められたということになるでしょう。

Circular Quay

【仕事への挑戦】
言われたことだけやってると、いつかリストラされると心に銘じる

ファーストリテイリングの柳井さんの『成功は一日で捨て去れ』から2箇所引用します。

サラリーマン社会の浸透というのは、自分が意思を持ってこうするのだ、というよりも、他人からこうしてくれと指示されない限り動かない、そんな思考の人が増えていることを示している。それではだめだと思う。(中略)サラリーマンではなく、自分自身で考え行動する自律・自立型の社員=ビジネスマンを会社内で育成しなければ会社は成長しない。

店舗で接客販売する場合も、本社や本部で仕事をする場合も一緒だと思うのだが、自分がやるべき仕事の範囲は、社内の職務分掌規定に決められているにせよ、初めから範囲を限定してはいけない。本来は。自分で仕事を発見していかなければならないのに、与えられた仕事だけをするのがサラリーマン、あるいは会社員だと考えているのか、そういう人が増えている。

これを読んで「俺のことだ」とハッとした方は要注意でしょうが、今このタイミングで気がつけて良かったともいえます。
私はこれについて全く同感で、仕事とは自分で作っていくべきものだと思っています。上司から与えられた仕事は仕事の一部であって、そんなものは一刻も早く終わらせ、自分が考える「どうしたらもっとお客様のため、会社のためになるのか」を実行するべきです。時には上司から与えられた仕事に対して「それよりももっと良い方法があります」ということもあるでしょう。

言われたことだけやるということを続けると、次のようなリスクが待っています。

  • 会社の成長が止まり、業績が下がる。
  • 人から仕事を与えられないと価値を生み出せない人材になってしまう。

この2点は連携して自分がリストラされるリスクを高めます。つまり業績が悪化して人件費を削減しないといけなくなり、リストラ対象には「大して成果を出していない、指示待ち社員のあなた」が対象になる可能性が高いのです。

勘違いしている人が多いですが、会社員であるわれわれが給料をもらえるのは「1日8時間×1ヶ月働いたから」ではありません。成果を出したから、または成果を出すことを期待されて給料をもらっているのです。ここを履き違えると、「出社して、上司の命令を我慢して遂行した」ことに満足したり、言われた事しかしていないのに給与が下がると文句を言い出します。言われた事だけやっていて、今以上にお客様を考えたサービスや、今以上に売り上げや利益率が上がる仕組みを考えないと収益は下がるに決まっているじゃないですか。

Softbankが社運を賭けてiPhoneを扱ったからあれだけ収益が上がり、挑戦しなかったDoCoMoは顧客を奪われ続けました。でもauやDoCoMoもiPhoneを扱い始めたのでSoftbankのiPhone収益は当初から比べると下がりました。企業は常に外敵に狙われています。この中で今までと同じことをどれだけ高いレベルで行ったところで、収益が上がり続けるわけはないのです。

これは経営レベルの話ですが、現場でも同じことが言えます。せっかくファーストリテイリングを挙げたので、ユニクロのようなSPA(製造小売業)を例にしてみましょう。お客様の生の声を一番聞けるのは現場のスタッフや店長です。そこで気づいたユーザーの声の変化などを適切に本部に送ることで、ユーザーのニーズを常に把握した形での商売ができます。仮に今、その仕組みがなかったらどうしますか。

  1. ユーザーの声を反映したら良いのは分かるけど、そんな仕組みもないし、今までどおりやろう。
  2. ユーザーの声はもっと本部に届けるべきだ。仕組みがないから作ろう!

2は上手くいけばその仕組みが全社展開して、全店から顧客の要望が上がってくるようになります。もちろん製品企画の部隊でも市場ニーズの調査などはしているでしょうが、それとあわせてよりユーザーの声を反映した商売ができるようになるでしょう。

社員一人ひとりがお客様のため、会社のために考えて行動、挑戦することで会社の成長、収益アップは可能となります。それによって社員に報酬アップという形で返ってくるのです。

もちろん施策が失敗することもあるでしょう。すぐには成果がでないこともあるでしょう。仕事が増える…というような周囲からの反対もあるでしょう。それらを乗り越えて成果を出せたら、それは大きな自身につながり、評価もされる。たとえば本社の経理部に移ったとしてもその経験を生かして同じように業務改善をしたら良い。それにより会社は良くなっていき、あなた自身の評価も上がります。もちろんリストラ対象なんて自分とは無関係でしょう。挑戦しつづけ、今よりも高い成果を上げられるように努力をし続ける。このスタンスのほうが、言われた事だけやるスタンスよりも圧倒的に安定した収入を得られ、安定した生活ができるでしょう。

この記事で紹介した本

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