これはひどい。「通信がパンクするから、あけおめメールは控えてください」

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プライベート
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こんな記事を見つけた。

元日午前0時の「あけおめ」通話/メールは控えて 「ウマから最初のお願い」TCAが呼び掛け

 

Twitterは過去最高秒速ツイートを更新したバルスにも耐えたのに、金を払って通信網を利用させている通信会社はなぜそのようなことを言うのかなーと思いましてね。

Twitterがバルスに耐えたことと、通信トラフィックの問題は微妙に違いますがが根幹は一緒です。

違うこと
・ボトルネックがサーバーのリソースか、通信網のスペック(道の数)か

同じこと
・増やせば対応できるということ

例えるなら「あけおめ」で配信遅延などが発生するのは、道路の渋滞です。ちょうど最近半沢直樹(もとい堺雅人さん)がソフトバンクのCMで言っているように、2車線を4車線にしたら同時にその道を通れる数は倍に増えて渋滞が減る。⇒つまり配信遅延を緩和できるということ。

堺雅人 SoftBank CM 倍の倍でバイバイですね。

対してTwitterの負荷はサーバーに対するもので、これは例えばイベント会場の物販ブースの数が少ないから、一度に対応できる数に限りがあるというイメージ。コンビニのレジの数というイメージでもOK。
ライブイベントの物販ってどのテントでも同じものが売っていて、非常に多くの人が同じように購入しようとしている。千人お客様がいたら、ブースを10個作るとか、一万人なら30個にするとか、いずれにせよ同時に購入できる人を増やすための対応をする。数が少ないと遅延が発生するし、20万人いるのに3個しかブースがないような低スペックだと、客が暴動起こしたりクレームばかりで、もうどうにもならなくなる(⇒サーバーダウン)。

つまりどちらも、対応を行う場合には「増やせば良い」ということです。もちろん他の解決策もありますよ。ブース内で対応できる人の数を増やしたり、作業を効率化したり。道の場合はバイパス作ったり色々いろいろ。
Twitterの場合ブースを増やすというのはサーバーを増やすということだけれど、これは昨今はクラウドという技術で簡単にできる。(といってもそんな簡単じゃないけど)もちろんお金もめっちゃかかる。無料サービスなのに本当、スゲーなと思います。
実際にTwitter社が行った対応についての記述を見つけられなかったので、もしかしたらクラウドじゃなくて物理サーバーを増やしたのかもしれない。だとするとさらに金と時間がかかったことになります。いずれにせよ、お金と時間をかけてなんとか利用者が困らないように努力をしたわけです。

みんなが「バルス」とTwitter画面に打っておいて、主人公(?わたしラピュタ観たことないのです)が言うのと同じタイミングでツイートようとしたのでしょう。1秒でも遅らせたくないというTwitter社の熱い顧客思考が伺えます。(実際には一部でサーバーダウンしたっぽいですがね)

 

対して通信の方はどうでしょう。もちろん物販ブースを増やすのと道路を増やすのでいうと、道路を増やすほうがよっぽど難しいです。コストと時間がかかる。
でも、毎年あけおめで遅延が発生しているのは今に始まったことじゃないし、それこそ10年前もそうでした。我々も別に怒ったりせずに「まあみんな同時にやってるわけやし、しゃあないやろ。そういうもんやろ」って特に文句も言わなかったけど、10年たってもまったく改善とがみられないのはどういうことでしょう。

そして今までは言わなかった「あけおめしないでね」と開き直るのはいかがなものかと思います。有料で通信を提供しているはずなのに。

日本は災害が非常に多い国です。災害のために伝言掲示板があったりとか、LINEのグループを作ったりとかして、国民おのおのが災害時にどう安全確認を行うかを工夫していたりします。でもやっぱり離れた人の安否を確認するにあたって、電話で声を聞くに勝るコミュニケーションはないと思います。

以前にも書いたとおり、災害は来るであろうし、来ない前提で準備をしないのはバカげている。
ならば災害が来たときに通信業者がどう対応するのかの対策を講じた上で、毎年一回かならず通信トラフィックが膨大になることがわかっている「あけおめ」でベンチマークテストをすれば良いと、思ってしまうのですよ。
それがポジティブな問題解決発想なはずです。

と、まあ言うは易しといいますか、おそらくもろもろ検討した上での発表でしょうし、技術的にも母数1億人の膨大な通信をさばくのはハンパなく難しいのでしょう。それはそれとして、今後も「遅れない通信」をひとつ目指していただければなと願っています。

「通信が溢れそうなときは『自粛してね☆』って国民にアナウンスしよう」というようなネガティブな解決策にあぐらをかかないで欲しいというお願いでございました。

あんまりネガティブな記事は書きたくないのですが、読者の皆さんに「よく言うサーバーダウンって何や?」とかそういうIT系の読み物として読んでいただければなと思い、記事にしました。

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