仕事柄よくクラウドという言葉と接してきましたが、最近はコンシューマ向けにも説明抜きにクラウドという表現が使われ始めたなと思い、ここいらで一度まとめておきたいと思います。
僕は思うのですが、横文字って「つまり簡単にいうとそれって何?」がパッとはイメージできない反面、それさえざっくりと掴んでしまえば後はなんとなく理解ができる気がしています。なので「クラウドとか良くわからん」と思っている人向けに、最低限イメージできるレベルでの簡略な説明を目指します。
◇そもそもクラウドって?◇
まず抑えておくべきことがあります。それはクラウドという単語に明確なズバリこれ!の意味はないということです。バズワードの代表格です。それも踏まえて簡単に説明します。
クラウドはもともとクラウドコンピューティングを縮めたものです。そして、クラウドコンピューティングの概念は昔からあり、GoogleのCEOが2008年のプレゼンテーションでCloud Computingというフレーズを使ったことで一気に流行語になったのです。だから世の中にはクラウドと名はついていないけどクラウドであるサービスはいくらでもあります。そして例えばある人は「××はクラウドだ」といい、ある人は「クラウドではない」というものもあります。クラウドに明確な定義はないし、正直そういうのはどうだっていいことなんです。そういうゆるい気持ちで説明を読んでいただければと思います。
クラウドは英語のcloudに由来していて、その心は諸説ありますが、「雲のように実体のつかめないものだけど、雨はそこから降ってくる」という説明が私は一番しっくりきます。 例えばGmailは立派なクラウドサービスです。これまでメールというと、パソコンにインストールされたOutlookやBeckyなどのメールソフトを使っていましたよね。(もちろん今でも多くの人がそういうメールの使い方をしています。)
Outlookはパソコンの中にソフトとしてインストールされているので、実体があるといえます。かたやGmaiはインターネットでアクセスしてログインすれば家からだって学校からだって会社からだってアクセス可能ですし、最近では携帯端末からも利用が可能です。この場合の雲とはインターネット、雨はメールサービスのことです。ソフトを持っているわけじゃないけどインターネットにアクセスすればメールが利用できるということを言っているのです。
最近ではExcelやWordなどのOfficeもクラウドベースでの提供、つまりインターネットにアクセスすれば使うことができるという風にもなっています。(⇒Office365)
インストールしなくてもインターネットにアクセスすればその機能が利用できるというのがクラウド!と思っても結構あたっています。
◇他にもあるクラウド◇
DropBoxというサービスはご存知ですか?これはオンラインストレージサービスといわれるもので、和訳すると「インターネット(もうこれは日本語でいいでしょう)上に記憶領域([ハードディスクのようにデータを保存する場所)を持てる」サービスです。加えて、デバイス間共有、つまり家のパソコンでもiPhoneでも学校のパソコンでも共有ができるのです。Evernoteも似ていますね。さしずめオンラインメモ帳サービスとでも言いましょうか。
クラウドによるメリットはインターネットに通じさえすればどの端末からでもアクセスでき、利用できるというのが非常に大きいと思います。いまはタブレット端末も含めると、多くの人が家のパソコン、携帯電話など2台以上の端末を利用していますから「あーあのデータは家のパソコンだ」ということになりかねません。でもデータを全てオンライン(クラウド上)に保存をしていればいつでも利用ができるのです。
◇ここから先はもう少し専門的かつ幅の広い話◇
このまとめ方は好きじゃないですがいわゆるIT系な人でなければ、「クラウドってなに?」に対する理解はここまででの内容で十分です。もう一度いうと「オンライン(クラウド≒インターネット)を経由してサービスを利用すること」です。たとえばクラウドバックアップサービスと言われれば「バックアップをインターネットでするんだな、つまりバックアップデータをインターネット上に保存するんだな」と解釈できます。iCloudも一部その機能を担っているはずです。
さて、クラウドはバズワードと申しましたが、クラウドの意味するところはもう少し広いものがあります。
クラウドとよばれる形態にはいくつか種類があり、これまで説明してきたGmailやOffice365はSaaS(サース)と呼ばれるものです。これはSoftware as a Serviceを縮めたもので、つまり「普通ならソフトを買うものだけど、買わないで(持たずに)利用だけさせてもらえる」という状態を意味します。ちょっと分かりづらいですね。
似たようなクラウドの形態に次のようなものがあります。
- HaaS(Hardware as a Service)
- IaaS(Infrastructure as a Service)
- PaaS(Platform as a Service)
それぞれハードウェア(CPUやメモリ)も物理的なモノを買うんじゃなくてインターネット経由で利用するとか、Windows自体もインターネット経由で利用するとか、ちょっとピンと来ない話かもしれませんがそういう形態もあるのです。(今回の記事では「そういう形態もある。」という理解までで結構です)
つまりクラウドとはインターネット経由で色々なものを利用できることを言うのです。
それが多くの人にとってはExcelやメモ帳、メールなどのサービスを意味するところが大きいです。
今後雑誌やテレビで「クラウド××」というものがあればインターネット経由で××を利用できるサービスなんだなと理解してもらえば99%外していないです。
P.S.ややこしくするだけかもしれませんが、例外を最後に。