日本語には敬語という独特の表現があります。でも、正直これを正しく話せている人は本当に少ないです。特に社会人経験が浅い人は、感覚値的には50%くらいの人が誤った敬語を使っていることにすら気づいていないという印象です。
これは少し古いですが平成17年の文化庁のデータです。これをみても特に20代男性で38%、女性で44%の方が「正しい敬語の使い方が分からない」となっています。
私は社会人になって敬語についてこっぴどく叱られ続けました。それまで自分は敬語をわかっているつもりでした。私のほかにもこういう方は多くいらっしゃるかと思います。分かっているつもりでもちゃんと使えていないのが実情なのです。
ということで、特に就活生や新入社員の方は要注意ですので一度確認しておいてくださいね。
今回は、新入社員が特にハマる敬語について取り上げます。
【田村様でございますか?】
電話口などで相手が田村さんかを確認するには、この表現は50点です。この場合は「田村様でいらっしゃいますか?」とたずねます。「ございます」は「です」の丁寧な表現ですが、「いらっしゃる」の方が敬意が高まります。
「さざえでございまーす!」とあるように、ございますは自分に対して使う表現です。
【それでは久保課長にそのようにお伝えいたします。】
これは新入社員が教えられる定番ですね。この文章には2点指摘事項があります、
・自社の人間に敬称をつけない。「部長の久保」や単純に「久保に」と言う。
・身内の人間に対して伝えるという動作は敬語表現にしません。「申し伝えます」といいます。
【資料は拝見していただけましたか?】
敬語には3種類あります。丁寧語、謙譲語、尊敬語です。これらの使い方を間違えると大変です。「拝見する」は見るの謙譲語です。尊敬語でも丁寧語でもなく、自分をへりくだらせる言葉です。相手の行動に使ってしまうと相手が自分に対してへりくだることになります。これは大変失礼にあたりますから気をつけてください。このサイトのように、それぞれの動詞について比較しているサイトは多くありますので、覚えておいてください。
ちなみにこの場合は「資料をご覧いただけましたか」が正しい使い方です。
【最後に】
よく「尊敬してもいないのに敬語なんて使いたくない」という人がいます。かつて学生だった私もそうでした。でも今は違います。日本のビジネスシーンにおいて敬語が正しく使えるということは信用を勝ち取れると知りました。つまり仕事においても非常に有利になるのです。正しく敬語が使える人は非常にスマートだと映ります。
なかなか一朝一夕に身につくものではありませんが、日常の中で意識をすることで、訓練されて、2年目くらいになれば全く意識しなくても正しい敬語が使えるようになります。ぜひ勉強を進めて、正しい敬語が使えるようになってください。
【おまけ】
「了解しました!」というのは目上の人に対してはあまり良い表現ではないそうです。
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