皆、ホワイトカラーを時間で管理するというアホらしさに気づいていない

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生産性を上げたら評価下がった話

という問題を発端に色々と考えておった、ここ数日間です。

で、結論に至ったわけですが、やっぱりホワイトカラーに残業とかいう概念、なくしませんか?
来たれ!残業代ゼロの社会(ホワイトカラー・エグゼンプション)という記事を書いたとおり私はホワイトカラーエグゼンプションに賛成です。(いや、一旦この法案はお蔵入りになったようなので「賛成でした」というべきでしょうか)

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◇時間管理はブルーカラーにこそ適している◇


私は思うのですが、たとえば工場のラインで働く人についていうと、個々人の労働者の生産性の高さというのはそこまで重要ではありません。よく日本のブルーカラーの生産性は世界トップクラスといわれますが、それは生産の仕組み自体が非常に効率化されているからです。個々人の生産性が高いのではなく、工場での製造過程が素晴らしく洗練されているからでしょう。となると必要なのはその洗練された工程を滞りなく仕事をこなせるとなります。つまり工場のラインにおいては人がいることがとても重要で、その人が工夫をして生産性を高めるよりは、決められたことを決められたとおりに実行する人が圧倒的に重宝されます。

たとえば私は一度だけ工場のラインで働いたことがあります。(参照:仕事が面白くない人へ。仕事が楽しくなるのは誰かのお陰じゃないぜ!)携帯電話のラインで、出荷前の端末を箱に詰め込む作業を丸一日させられました。私がどれだけ生産性を上げようと努力したところでベルトコンベアの速度は上がらないので意味がありません。逆に、私のエリア(ここには4人くらい居ましたが)のうち一人が休んでしまうと、その工程で遅れが生じて工程全体に悪影響がでます。つまり人がいてくれることが重要なのです。

いてくれることが重要であるため、いてくれる時間に応じてお金を払うというわけです。

これは工場に限りません。たとえば電車の運転手でも同じです。電車には必ず運転手が必要です。たとえば自分が16時で交代してあがる予定だったのに、交代者が体調を崩して2時間遅刻するとなれば、「あと2時間残業」となるかもしれません。そういう場合には、「もう既に就業時間だけどすまん、1.25倍払うからあと2時間頑張ってくれないか?」といなって残業代が支払われるのです。(実際の鉄道会社での運用をヒアリングしたわけではないので妄想ですが)

飲食店も同じです。平日のディナーは調理場3人、休日のディナーは調理場4人いれば営業ができるということであれば、その人数がいてくれることが大切なのです。だから何時間いてくれたという時間に応じて給与が支払われるわけです。

◇ホワイトカラーの仕事は時間では計れない◇


たとえばお客様への提案資料を作る仕事を考えてみてください。

–明日印刷処理をかけたい資料なので本日中に完成させる必要がある。定時は18時。
その仕事を急遽17時に依頼を受けた二人について考えてみます。

  • 工藤さんは提案内容をよく考えて綺麗に資料に落とし込み、1時間で素晴らしい出来の資料を完成させました。
  • 毛利さんは提案内容の本質を理解できず、的外れな資料を2時間で仕上げました。しかし自分でも全然納得のいかないものです。毛利さんは何度作り直しても「うーんこれじゃお客様の心をつかめない」というもの。最終的には22時ころにやっと完成させることができました。

比較なので、工藤さんと毛利さんの最終的な資料のクオリティは同じだったとしましょう。今回のケースだと工藤さんは定時でキチっと素晴らしい資料を作り上げてサクっと帰りました。毛利さんは自分の力及ばずのせいで4時間の残業が発生しました。4時間の残業代となると、

月収30万円だと過程すると

30万 ÷ (8時間×所定労働日数21日) ×4時間 ×1.25 = 約8928円

となります。言い方は悪いですが、毛利さんは自分の仕事が遅いせいで、工藤さんより9000円近くも一日のうちに稼いだことになります。

こんなことが許されて良いのでしょうか。

もちろん工藤さんがこのスキルを他にも活かして評価されれば昇給という形で報いられると思いますが、上記の矛盾はやはりおかしいと思います。もしかしたら工藤さんは休日のプライベート時間を利用して「分かりやすい資料の作り方」を猛勉強していたかもしれません。それでも毛利さんの方が勤務時間中に仕事を時間をかけてやったから、残業代という形で得をするのが良いのでしょうか。

◇ホワイトカラーとブルーカラーでは求められる成果が違う◇


こういう矛盾はホワイトカラーの方が発生しやすいです。なぜなら求められる成果が「何時間会社にいること」でないにも関わらず、何時間会社にいたかに応じて給与を払うというアホな制度のせいです。ホワイトカラーに求められる成果は一言で言えばアウトプットという抽象的なものでしょう。今回のケースではお客様の心をつかむ資料ですし、営業職であれば注文書です。クリエイターであれば素晴らしい作品です。

それらを生み出すために何時間かかったということは本来関係ないはずです。でもそんなことを言うと「ブラック企業だ」とか「労働者の人権が」とかぬるいことを言う連中が多いから、ホワイトカラーも時間という定量的な管理をせざるを得ないのが腐った現状です。

◇そもそも◇


冒頭に引用したブログでは次のような衝撃的な文がありました。

やること早く終わったら、暇人ってことで、正社員からの評価が下がるから、仕事してる様相を出さなきゃいけないんだって。

おそらくこれはこの会社だけではなく日本全国のありとあらゆる会社で発生している問題でしょう。仕事している様相をすることに会社からみて何のメリットがあるのかさっぱり分かりません。そもそもこういう人たちこそ「残業代ほしさに仕事をゆっくりとやって、ヒーヒー言ってるフリをしながら残業をする」んでしょうね。くだらないにも程があります。

དིལ་མགོ་མཁྱེན་བརྩེ་ HH Dilgo Khyentse Rinpoche reading at Sakya Ward St Center Seattle Washington USA 1976

「残業代も含めて家計として考えている」という意味不明な人も大勢いるから笑うに笑えません。残業がない閑散期も生きるためになんとか残業するんですか?社会の毒なのでそんな人は考えを改めなおしてもらいたい。

というかそもそも諸悪の根源は会社側なのでしょうね。そういう賃金体系にしているところもあるかもしれないし、ホワイトカラーに対して生産性の向上を追及してこなかった仇がきていると思いますよ。そういう会社は残業代を稼ぐために必死でパフォーマンスをして何も生み出さない社員に1.25倍の残業代を支払い続けて潰れて下さい。

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